前回は、令和6年4月1日~の「相続人申告登記制度」について記事を書きました。
今回は、相続登記義務化に向けた環境整備としてすでにスタートしている、
相続登記の登録免許税の免税措置について見ていきたいと思います。
評価が低ければ登録免許税がかからない
相続登記の登録免許税の免税措置とは、相続登記が放置されやすい価格が低い土地の相続登記の際、しばらくの間、登録免許税がかからない制度です。
ポイントは3つです。
- 免税になる価格 👉100万円以下
- 免税になる不動産👉土地のみ。建物は含みません。
- 免税になる期間 👉令和4年4月1日~令和7年3月31日
いくらお得なのか?(具体的な計算)
田1 10万円
田2 20万円
田3 30万円
畑1 40万円
畑2 50万円
山林 60万円
雑種地 70万円
雑種地 80万円
宅地(持分2分の1) 180万円(全体の価格)
宅地 100万円
免税がなかった頃の通常の相続登記時の登録免許税は、不動産の価格合計×4/1000で計算します(厳密には途中で切り捨てとかもありますが、今回はスルー)。
{10万円+20万円+30万円+40万円+50万円+60万円+70万円+80万円+(180万円×1/2)+100万円}×4/1000
=550万円×4/1000
=2万2千円
この2万2千円が、相続登記の登録免許税の免税措置を使うと、無料となります。
計算の時に迷いがちなところ
計算時にあれ?っとなる点2つをまとめておきます。
①不動産の価格は土地ごとに判断します。
相続する土地がたくさんあっても、合計ではなく、一つ一つの価格で判断します。
今回はすべての土地が100万円以下ですので、すべて免税となります。
②移転する価格で判断します。
「宅地(持分2分の1) 180万円(全体の価格)」については、土地全体では180万円でも、相続するのは持分2分の1ですので、移転する価格は90万円分として、免税となります。
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次回は、令和5年4月27日スタートの
「相続土地国庫貴族制度」について見ていきたいと思います。
※こういう記事にありがちですが、本記事は改正法施行前の情報に基づいて作成していますので、記事が古くなると内容が合わなくなるかもしれません。どうかご了承ください。
(執筆担当者:司法書士 西森由紀)